こぶしファクトリーのセカンドアルバムを聴いて思うこと(備忘録)

言語化することは思考を整理するために有効なプロセスだと思ってます。

 

こぶしのセカンドアルバムのレビューブログ的なものが流行ってるので便乗しました。

 

自分は文章を書くのが好きですが得意ではありませんのでこういったものを公開するのにはためらいがありますがそれ以上にセカンドアルバム発売を通しての今の気持ちを何かに残しておきたいと思ったのと、流行ってるって言ってもこれまでのシングルとかと比べて多く見られるってだけでそういうブログみたいなのを自分自身もっと読みたい、このムーブメントもっと広がれという気持ちもあって書きました。書き終えた今思うことは「こんな薄い浅い内容の駄文でいいなら俺も!」みたいな人が増えてほしいです。(エピソードなど事実と異なる部分があれば申し訳ないです。)

 

ハードルを下げたところで本題に入ります。

 

まず曲順がいいです。現在行われてるツアーのセトリはこのアルバム順でもよかったんじゃね?って思うくらいです(後にツアーのセトリのネタバレも含みますのであしからずです)。アルバムの構成なんですが、

4thシングル〜7htシングルの7曲

+ライブでのみ披露されてた初音源化曲3曲

+9/2の4周年イベントで初披露された5曲

+FC町田ゼルビアの公式応援ソング(ツーパターン)の計17曲です。このうち4周年イベントで初披露された5曲はそれぞれのメンバーのフィーチャー曲になってます。

 

アルバムの曲順が良いと言ったばかりなんですが内容がそれまでの背景とかが多くなったので曲が発表された順番に書いていきたいと思います。曲の前の数字はトラック番号です。

 

1.これからだ! 3.明日テンキになあれ

 去年の三月にリリースされたシングルで、『これからだ!』は現メンバー5人で初めて披露したオリジナル曲です。メンバー3人辞めて気持ちを新たにこれからだ!っていう前向きな感じな気もするんですけどMVの内容とかちょっとえぐいです、内容がコンクールの審査落ちなど挫折をしている、挫折をしかけている4人のメンバーの傍を野村さんが無言のまま全力疾走で駆け抜けて、それに感化されてか元気を取り戻してまた立ち向かっていくみたいな感じの内容なんですが、受験番号『150902』に対して『不合格』が突きつけられるような場面などはこれまでの過程が否定されるかのようで当時複雑だという意見を多く目にしました。メンバーの辞め方が辞め方だっただけに繰り返される「これからだ 今からだ」ってフレーズを聞いても当時の自分は思わなかったですけど他所メインの人とかが聞いたら「いやきついやろ」みたいに冷めた感じになってもしょうがないような気が今はします。

 そんな感じの「キツイ」曲というイメージもある『これからだ!』なんですが、和田さんのラップ、井上さんのボイスパーカッションという今のこぶしの強力な武器を備えた初の曲でもあり、この曲はグループ初の単独ホールコンサートの一曲目を飾ります。

 創作物などならまだしも人の活動に対して勝手に区切りをつけるようなことはあまり好ましくないのかもしれませんが、こぶしファクトリーというグループの活動を章立てするとしたら第一章の終わりは『これからだ!』のリリースイベント最終日のラクーアでのステージだと個人的に思っています。

 2017年の12月に現在の体制になり、2018年は気持ちを新たに5人でスタートを切ろうとしたと思いますが体調不良というどうしようもない理由でそれすら早々に躓きます。そんな中ほかのグループをメインに見てる人の方が多いであろうハロコンで披露されたこの曲がどのように映ったのかはわかりませんが自分の想像としては前述のとおりです。そんな5人で最初に成し遂げたことは5人初シングルのリリースイベントを完走したことだと思ってます。そんなリリースイベントの最後に「イベントが終わっちゃうから帰りたくない」と巻きの指示が入るまでステージに立ち続けたのは、語弊があるかもしれませんが本人たちがある程度安心したんじゃないかと思ってます。この希望に満ちた光景をみてああ新しいこぶしファクトリーが始まるんだな、一つの区切りだなと感じた自分がいました。

 そんな5人の始まりでもある『これからだ!』は当時冷めた印象を持ったとしてもそんな空気を跳ねのけてきた5人が歌っているのを聴くとその印象は一変するんじゃないかと思っていて、ホールコンの一曲目にふさわしく、また現体制の集大成ともいえる今作の一曲目にふさわしいと思っています。

 

 『明日テンキになあれ』のタイトルは『天気』と『転機』を掛けていて一曲目の『これからだ!』と同じく5人での再スタートを歌った曲だと思っています。 ただいい意味で『これからだ!』より重い感じがしないです。スタンドマイクを横に並べて歌うんですが対バンとかでスタンドマイクを持ってメンバーが出てくるところがかっこよくて、個人的なあれなんですけどライブでイントロ、最初にじらされた後に何かに解き放たれたかのようにコールが始まって、アウトロ、曲の終わりまでコールがずっと続くのが疾走感あって好きです。すごい雑感なんですけど『これからだ!』が自分たちを鼓舞してるように聞こえるようなのに『明日テンキになあれ』の方は誰かを応援してる曲に聞こえるのは曲調の問題なんですかね、それともほかの人にはそうは聞こえないんですかね、ちなみに『これからだ!』のMVでそれぞれのメンバーが挫折してたのに対してこの曲のMVではメンバーはテレビ番組に出てスタジオライブをしているので挫折をして自分を鼓舞した結果ステージに立つような立場に進路変更して誰かを応援する側に回ったんですかね(MVの公開時期は『明日テンキになあれ』の方が1週間早いです)

 

6.消せやしないキモチ 13.亀になれ!
 そんな第二章最初の曲が2018ツアー初日に披露されたこの2曲です。
 『消せやしないキモチ』は初の本格恋愛ソングです。初の本格恋愛ソングです。こぶしのヲタクからの人気が圧倒的で数々のガチ恋ヲタクを生んできました。と思ってます。こちらもスタンドマイクを使う曲で、メンバーの立ち位置が上手から年齢順に大体固定で各推しメンの0ずれの位置を『消せやしないポジ』と呼ぶ人もいます。「ポジションはそりゃ消えやしないだろう」とも思うんですがこれは「0ずれに入って意地でも俺(私)を視界に入れさせてやる、(お前の視界から)消せやしないポジ」の意味だと思ってます。思ってません。『消せやしないキモチ』は失恋した初恋に思いを馳せるーみたいな曲なんですがマネしやすくてかわいいフリなのも人気な理由の一つなのかなって思ってます。

 あとこれは知り合いの方が言ってるのを聞いてから自分も意識してようやくそう認識したんですけど、ただ失恋した初恋の事を歌っているんじゃなくて辞めていったメンバーに対しての意味も含まれているのかなって思ってます。具体的にはサビの

「泣いたって思い切り泣いたって君を忘れることなんてきっと出来ないね だから受け入れ思い出を受け入れそっと心の奥の引き出しの中」

や2番の

「だけど感傷に浸んのは今夜が最後ね 心みたいにぽっかり空いたドーナツを一口で頬張っちゃうね」

のところがある種の決別の言葉に聞こえます。

 

 『亀になれ!』の亀はウサギと亀の亀のことで、歌詞の『私』は奇跡のようなことは起こらないと思っているけど不器用ながらもコツコツ努力していけば最後には成功が待ってるという一種の楽観主義者的な考え方で個人的には好きです。

「ゆっくりと確かな一歩を踏みしめただただただただ進め長い一本道」

「痛みも涙もいっそ背負ってまだまだまだ進め長い一本道」

という部分の歌詞には『これからだ!』『明日テンキになあれ』に込められた意味に似たようなものを感じます。2017年の秋ツアーよりこぶしファクトリーはアカペラに挑戦して、今やアカペラ動画が公開されるとツイッターでトレンド入り、youtubeでは急上昇ランキングにランクインするほどまでのレベル(記憶曖昧だったのでソースはほかの人のツイートです)に到達した今この曲を聴くと

「なら出来ること極めようじゃない」

っていうのはぴったりの歌詞だなって思いました。また、たびたびMCで聴く「自分たちは口下手なので歌で気持ちを届けたい」というような内容に合致している曲だなって感じます。

 

 そんな感じで私的第二章スタートとなったこの二曲も「これまでなんやかんやあったけどこれからまた頑張ろうぜ」みたいな曲の印象なんですけど自分がそういうのと関連付けて考えすぎている感も否めないかもでそこは解釈の違いだと思います。

 

7.きっと私は 9.ナセバナル

 2018年の夏にリリースされたシングルの二曲です。『きっと私は』は待望の初つんく曲です。ぶっちゃけ最初聴いたときは「シングル曲としては弱くね?」とか思ったんですけどスルメ曲とはよく言ったもので聴くほどに良さが出る曲の一つだと思うようになって、ライブなんかでもその独特なイントロから始まるこの曲はいいアクセントに働いているような気がします。これまでに書いた曲を聴いてわかるようにこぶしはあつくrメッセージ性の強い曲が多いですがこの曲は自身を鼓舞するというところでは似てますが一方で

「成長の過程ではIT'S OK!」

など救われるテイストが強くていい意味でゆるい曲だと思ってます。MVは里帰りした『私』が主人公で、めっちゃ暇してるけど地元の友達はみんな立派になってて自分もちゃんとしないと!みたいな内容で

「とうとう私だけになっちゃった彼氏なし」

の部分とかはアイドル活動をしている本人たちの事をそのまま歌ってるようにも聞こえて、そんな本人たちが里帰りをして気を休めつつも周囲に置いていかれてるような表現のしにくい不安感を取り除こうとするみたいな曲なのかなって思ってます。そんな感じですでに普段何かを頑張っている人に対してのエールの意味合いが強い曲なのかなって思ってます。

MVの前半では私服風衣装を着て実家でだらけてるみたいなシーンが多い一方後半ではステージ風衣装を着ており、最後の、実家にいる浜浦さんの肩越しに見えるエキストラ含めたメンバーがドアの外側でめっちゃ元気そうに踊っているのが印象的でした。こっちは実家で暇してんのに外でそんなん見せつけられたら飛び出してくに決まってんじゃんってことでこのあとまた外の世界に飛び出していくように鼓舞してるのかなと思う一方で、この曲中の少し不安になっている『私』が実家にいる浜浦さんで、外の世界にいるメンバーたちがその主人公を励ましている、元気づけようとしている『私』なのかなとか思いました。実家にいる『私』が私服風衣装なのに対して『私』を鼓舞している外の世界の『私』がステージ風衣装なのは誰かを元気にすることができる職業と称されることが多いアイドルという立場の意味合いを際立たせているのかなとか思いました。

 

 『ナセバナル』は過去にMVについての考察みたいなのも書いたんですが

 

mtlsc20180708.hatenablog.com

 MVに関してはここでは省いて歌詞の事だけを短くまとめるとタイトル通り自己啓発な感じがするんですが一番では周囲へと目が行きがちなのに対して二番では自己を見つめていて夢を成し遂げるには自分の力で行わなければならないという風に歌詞中の主人公の意識の変化を描いているのかなと思いました。

 
4.ハルウララ 11.Oh No 懊悩

 今年の四月にリリースされたシングルの二曲です。『ハルウララ』についてなんですけど最初MVを見たときに「いや、百合ソングじゃん!」となって、いやいや、ちゃんと歌詞の意味とか考えて聴こうと思ったんですけど「いや、百合ソングじゃん!!」って改めてなりました。

「陽だまりには小さな芽が一つ いつか花咲くまで側で見守ってる」

「振り向いてハルウララ 言葉になんて出来そうもないよ」

「誰かが攫うまで側にいさせてね」

「いつか花咲くまで君の一番近くで秘めた想いを抱いてずっと見守ってる」

ヤンデレ(誤用)なのかこの主人公は、一番の

「そよ風に紛れ口ずさんだ終わった恋の唄切なすぎて」

っていうのは意中の相手の失恋話を友人として聞いてあげてるのかなと思うのでその意中の相手はまだ主人公の気持ちに気づいていないんだとしたら切ないなと思いました。「花咲く」という表現は例えば意中の相手の結婚とかのことなのかと思うんですけど「一番近くで秘めた想いを抱いてずっと見守ってる」ってことで想いを打ち明ける気はないみたいですけどその結果がどうなったのかめちゃくちゃ気になります。二番で溢れそうになってますし。

 それと『ハルウララ』というタイトルは曲中でも再三繰り返されるフレーズですが「冬から春への移り変わりの季節」という意味の『ハルウララ』ならば『春うらら』などの表記を使うのかなと思って、カタカナを用いることで固有名詞であることを少し主張しているのかなと思ってじゃあその固有名詞の対象はというと意中の相手の事なんじゃないかと思ってます。

「きらめいてハルウララ もう大丈夫」

「ひらめいてハルウララ 陽だまりには小さな芽が一つ」

というようなサビに出てくるフレーズは単に意中の相手が失恋から立ち直っていく過程を表す『春うらら』だけではなく相手に呼び掛けている『ハルウララ』の意味もあるのかなと思いました。そう考えると自身の想いを秘めておこうと決めてから曲の最後に何度も繰り返される『ハルウララハルウララ…』というフレーズは自身の心の中で起こっている切ない叫びのように聞こえてきました。

 あと『ハルウララ』はめちゃくちゃ抽象的な感想なんですけど難しい曲だなと感じました、というのも誰かが言ってたのを聞いてあーって思ったんですけどこの曲のダブルA面である『Oh No 懊悩』がメンバーにとって自身らの歌いやすい音域が多いのに対して高音域が多かったりと対照的だと思ったからです。三十六房の時に「懊悩の時みんな盛れてる」みたいに誰かメンバーが言ってた気がするんですけど曲自体が自身らが比較的歌いやすい曲であるって意識も働いているからなんじゃないかと思いました。

 そんな『Oh No 懊悩』なんですけどめっちゃ人間らしい曲きたって思いました。これまでは「頑張れ!頑張れ!」みたいな曲が多かったですけどこの曲に至っては「やってられっか!」「私の悩みおまえわかってんのか!」みたいな気持ちが表れててむしろ清々しいです。お昼にあの子の悩みを聞いたり小気味のよいアイツからのメールだったりという生活感が溢れる歌詞から気を配りながらも日々を生き抜いている様子には共感を覚え、最後の

「素敵な人を愛してたい?愛されたい?どっちもほしいよ」

という歌詞は前に出した腕のこぶしを握るというフリも相まって「私が追い求める幸福全部ゲットしてやるわ!」って気概を感じていいぞやったれ!って気持ちになります。

 そういった等身大の歌詞もメンバーの自然な姿を引き出す要因となり「盛れてる」みたいな表現が出たのかなとか思うんですけどわかんないです。

 

15.ドカンとBREAK!

 今年の春ツアーで初披露された何故かめちゃくちゃ推されてる曲です。何故かは余計でした。曲中に使用する専用グッズ『グーちゃんリング』なるものが販売された上にホールコンの本編ラスト曲にもなりました。正直そこまで推される曲か?と思ったりもしたんですけど音源聞いたら思ってた以上にかっこよかったので黙ります。あと曲中にメンバーが煽って小刻みに何度もジャンプするのが曲の特徴なんですがこぶしのライブに来ている職業や年齢もバラバラな男女が跳んでいるのを後ろから見たときはああこの人たちは同じグループが好きで同じものを求めてこの場に来てるんだなみたいに感じて本編ラストとかの盛り上がりを示すのに格好の曲だなとか感じました。(様々な事情もあると思いますし跳ばないのがどうとか言うつもりは全くないです。)

 「殻をぶち破れば今の状況も打破できるぜ!」みたいな曲だと思っているんですけど『別世界=新しい自分への脱出口』である『月』にハシゴをかけて殻を破ろうという過程で『今の自分を取り巻く環境=街』をハシゴの上から見下ろすことで物理的に視点を変える、物事を俯瞰することで見えてなかったことも見えてくるだろうと言ってることは視覚的にわかりやすいなと思いました。

 あと

「もっともっとぶっ飛んだ右脳で もっともっと柔軟な左脳で」

というのは右脳が感覚、左脳が論理を司ることからもっと直感に従えってことを言いたいのかと思いました。最後の

「男も一緒にBREAK!女も一緒にBREAK!みんなで一緒にBREAK!最後だ一緒にBREAK!」

ってのが特に独特な歌詞だなと感じて「お前らみんな月まで跳ぶんや!」みたいな意地を感じます。

 

 ここから4周年イベントで初披露された五人それぞれのフィーチャー曲です。今までもまあいろんな曲を歌ってきたとは思いますけどこの五曲が本当にすごいです。5人で再スタートをして今までで最長の8ヶ月にも及ぶツアーなどを駆け抜けた2018年、そんな1年の最後の日である12月31日に発表された初の単独ホールコンサート。単独ホールコンサートは自分らはともかくメンバーにとって悲願のものでたびたび「来年はホールコンサート!」という言葉を聞いていて、2018年のツアー千秋楽の際にもそのことには触れられていて、口ばっかりみたいな感じになってて本当に悔しいと涙ながらに話す浜浦さんの姿が印象的でした。そんな『口ばっかり』になってた夢が叶う瞬間に立ち会えた人たちがうらやましいです笑、そんな今年五月に行われた初の単独ホールコンサートはひいき目なしにも大成功に終わったと思います。ツイッターとかを見てると普段ほかのグループメインに行ってる人たちからも称賛、絶賛、満足の声が多く見受けられた印象でした。そんなホールコンサートという一つの目標を達成し、完成したのがこの今回のセカンドアルバムです。この五曲以外のアルバム曲はこれまでにもライブで披露されていた曲、またもう一曲はJリーグチームの応援ソングということでこの五曲こそがアルバム曲中のアルバム曲という立ち位置だと個人的に思ってます。音楽的な知識には疎いんですが研鑽を積んでこれまでになかった確かな武器も手にし、この5人にしか歌えない表現できない数々の曲を生み出してきて、その結晶が様々な形で表れているのがこの五曲だと思ってます。

 

2.Come with me

 広瀬さんのフィーチャー曲です。ジャジーで大人な雰囲気な曲で恋愛ソングかなとも思ったんですけどめっちゃアイドルソングだなって思いました。この曲はアルバムの二曲目なんですが現在行われているツアーの最初の曲でもあります。

「Come with me 一瞬で私は変わっていく目を離さないで 今日の私を見て納得しないで まだ足りてない高まる鼓動 女の子が最高に面白くなるのはこっからじゃん?」

メンバーが登場して最初にこれらのフレーズですよ、もうライブ中に瞬きできないです。ここからさらに進化していくからついてこいよという感じの歌詞の中で一番サビの

「全身全霊かけて夢中にさせるからさ ついておいで」

からのラスサビ

「全身全霊かけて夢中にさせるからさ ついてこいよー!!!」

ってというそれまでは大人な雰囲気でサビの終わりをソロパートでしっとりと歌う感じだったのに最後だけは複数人で歌い上げる感じに変わっているのが対照的でライブの始まりにふさわしいです。もうついていかないと置いてかれそうです。この曲をリーダーである広瀬さんがメインで歌うことによってさらにその説得力が増している気がします。「毎週ごとに大人びていくの」とか言われたら極力現場に行くしかなさそうです。

 

5.好きかもしれない

 井上さんのフィーチャー曲です。やっときた!こぶし初の公式サビマサイ曲!!ってのは冗談なんですけどメンバーが「初披露だけど皆さんこの曲好きでしょ?」みたいに言うくらい求められてた曲の一つだと思ってます。ありがとうございます。落ちサビの高まり度、あり得ん、本当にありがとうございます。ハロステで初披露時のライブ映像が公開されているのでまだ見てないという方がいればまずはそれを見てほしいです。6:46あたりからです。

youtu.be

 歌詞的には大学二年生くらいの人が主人公なのかなって思ってます。がっつしな恋愛ソングもっと歌ってくれって思ってたので嬉しいです。『消せやしないキモチ』の主人公が高校生くらいかなって思っていたのでそこからの成長が曲調や歌い方の変化に対してもストーリー性があると思って聞くと楽しいです。アルバムの曲順的にはこの曲の次が『消せやしないキモチ』なんですが。

 AメロBメロを聞いてると主人公、相手の事めっちゃ好きじゃんって感じだけどサビでは

「ほんのちょっとだけちょっとだけ好きかもしれない」

というフレーズが繰り返されていてバランスが悪いというか自分の気持ちをごまかしているようで過去に何かがあってなかなか素直に積極的になれないみたいな背景でもあるのかなとか思いました。一番で

「あなたが決めてよね愛が錯覚か」

「抱きしめてって私からは言わない」

と受け身だったのが落ちサビでは

「単純なことばかり勇気が要るみたい」

「触ってほしい身体心言葉も今すべて」

と心の内では積極的になっているのが伺えて、特に「触ってほしい身体心言葉も今すべて」は井上さんの落ちサビソロパートの中でも心の叫びを表しているようで曲の盛り上がりと共に心のボルテージも表されていて曲の中で一番大胆な歌詞がこの部分に来ているのが最高すぎます。同じような場面の人の心の叫びを井上さんがすべて代弁しているようです。恋する乙女の胸の内にリトルれいちゃん。

 ちなみにアルバム発売日当日に広瀬さんが書いたレビュー的なブログでは『絶対絶対アイドルファンウケするんだから。もっと知ってもらわなきゃいけない曲。』とのことで自分も一番ピンチk沸くのが好きな人向けの曲だと思っていて知り合いは「初恋サイダー枠の曲になる可能性を秘めてる」とも言ってました。『沢山広めてね(笑)』とのことなので気に入ったら布教してほしいです。

 

8.開き直っちゃえ!

 野村さんのフィーチャー曲です。油断すると泣きそうになります。真面目に愚直に努力を重ねてきたけれどもその不器用な性格のせいで自身が囚われてしまう、その努力に対しても自己肯定感を持てないという人に対して「あなたは偉い!」と救いの言葉を掛けるような曲だと思ってます。平和主義で周囲のためには自己犠牲を厭わない姿勢は評価されるべき姿勢だけれども完璧主義すぎるきらいがあり、もう少し自然体であってもいいんじゃないか、これまでの努力を肯定して少し力を抜こうという歌詞はそのような人にはまさに救いのような言葉で、初めて曲を聴いたときに広瀬さんと浜浦さんが涙したというエピソードはこれまでの彼女らの生き方が少し伺えるような気がしました。落ちサビの野村さんのソロパートが素晴らしく、救いの言葉を紡ぐ自他ともにマイペースと評される人柄の彼女はまさに救世主のように思えます。羽が生えてるようです。天使かな???

www.youtube.com

 こちらもハロステで初披露時のライブ映像が公開されています。16:44あたりからです(広瀬さんの前振りは15:54あたりから)

 

12.アンラッキーの事情

 和田さんのフィーチャー曲です。最初聴いたときアニソンっぽいなーて思ったんですけどこちらも失恋ソングで、歌詞を書いてくださった井筒日美さんがその制作背景などを語ってくださってます。

ameblo.jp

 確かにイントロから疾走感あふれる曲で作詞の軸となったというサビの最後の「哀しみスパイラル断ち切って」というフレーズが印象的でめちゃくちゃ好きです。疾走感あふれる曲なのに哀愁が漂っていていろんな楽しみ方ができる曲だなーとも思います。

 失恋を引きずるせいで日々の生活が悪循環化しその気持ちは一番サビの

「自由に飛び囀る鳥 はしゃぐ全部消したくなる」

というフレーズに集約してる気がします。自由に飛び囀る鳥っていうのは普段は気にもならない自分の周囲にいる元気な人さえ見てるとイライラするみたいな比喩なのかなって思ってます。そんな病みかけてると言ってもいい主人公は二番で

「洗いざらい洗い流し踏み出したい」

ということで前を向き始め、ラスサビで

「忘れたくて始めたくて決めたはずよ」

と覚悟を決め

「受け身じゃない生き方がいい」

と失恋を引きずり振り回される自分との決別、哀しみスパイラルからの脱却が確かに近づいている感じが伝わって最後の「光へと」という歌詞に繋がる感じがします。

 

16.明日の私は今日より綺麗

 フィーチャー曲シリーズの最後は浜浦さんのフィーチャー曲です。この曲もうっかり泣きそうになります。タイトルだけ見るとアイドルっぽい曲な感じがするんですけど内容は夢に向かっていく姿を応援、肯定するもので『明日の私は今日より綺麗』というフレーズは単にいわゆる成功を意味するだけじゃなくて今日よりも自信に満ちた自分という意味なのかなって思ってます。一番では夢に向かいたいけれども

「ふいに襲いかかって来る不安に囚われてその一歩を踏み出せなくなる時もあるけど」

ということでサビでその決意を新たにしてから歌われる二番では一番よりも音が多く夢への扉が開かれた感じがして物語が動いたなって印象を受けました。

 エースと称されることが多い浜浦さんがフィーチャーされて歌われるこの曲はグループ全体が再び動き出すような印象を受けて、ツアーのアンコール明けの曲にふさわしいと思ってます。リリースイベントの最後である流山の3部の最後の曲は正直この曲が来ると思ってました。

 これまでの弱さをもった『自分』に別れを告げ新たなステージへと向かう『自分』を鼓舞するこの曲はけれども「これまでのすべては無駄じゃなかった」と決して過去を否定するわけではなくそんな過去があるから今があるんだと訴えてるようで、

「何度でも立ち向かってその度に失敗をくり返して でもそんな自分を愛せたら明日の私は今日より綺麗」

「辛いこと苦しいこと起こり得るそのすべてにきっと意味があると信じれたら明日の私は今日より綺麗」

というフレーズからは挑戦しても挫折することはあるし困難はこの先にいくらでもあるけど挑戦したからこそこの失敗がある、今の困難はその先の栄光のためにある、そんな姿勢が取れればそんな状況の自分にも自信が持てるといったことを言いたいのかなと思いました。

 またエースと称されることが多い浜浦さんがフィーチャーされて歌うことで歌詞の主人公はグループ全体にまでその主語は広がって、

「辛いこと苦しいこと起こり得るそのすべてにきっと意味があると信じれたら明日の私は今日より綺麗」

っていうのはグループに起こった諸々を指しているのかとか思えてきて、たらればの話をすれば限りはないですが、今のグループの形に過去の出来事は間違いなく影響しているわけで、それらの事象が起こるべくして起こったということを言いたいわけではないけどそれらがあるから今の形があるということは一つの事実で「無駄」というわけではなかったという一つの肯定を表しているのかななどと思いました。そういった意味でも5人による現体制の一つの集大成ともいえる今作の最後を飾るのにふさわしい曲かなと思いました。(今回のアルバムに収録された曲のうちで唯一5人時代の曲じゃないのが『シャララ!やれるはずさ』で、こちらは今回2019ver.ということで五人でレコーディングし直しています。)

 

10.Yes! We are family~こぶしver.~ 17.Yes! We are family~FC町田ゼルビアver.~

 FC町田ゼルビアの30周年公式応援ソングで後者はアディショナルトラック扱いです。思ってた以上に音源がかっこよかったです。こぶしバージョンではメンバーのニックネームやこれまでの曲のタイトルなどが散りばめられています。

 

14.シャララ!やれるはずさ(2019ver.)

 さっき書いたように五人でレコーディングし直した曲です。メンバーの卒業が発表されている状態で初披露された当時のこの曲の

「タイムリミットが来る前にやれること全部やってみよう」

という部分などを現在の、5人で再スタートをした状態で聴くとタイムリミットというのは何なんだろうなという気持ちになります。

 

 そんな感じで懐古厨みたいな部分もあったと思うんですけど今回のセカンドアルバムを聴いて思ったことを書きました。エピソードなど事実と異なる部分があったら申し訳ないです、あと時間が経ったりしてこれは違うなとか思ったら加筆修正するつもりです。

 

 結局思うのは今回のセカンドアルバムは現体制の一つの集大成で、今のこぶしファクトリーの魅力が随所に盛られている作品だということです。現在行われているライブツアーではアルバム新曲五曲をすべて聞けるんですけど、ほんと贅沢すぎるって気持ちでいっぱいです。初単独ホールコンサートという一つの目標、夢を叶えたいま『明日の私は今日より綺麗』で示唆されるような新たな目標は武道館公演とかホールコンサートツアーかなって個人的に思っているんですけどいつになるんですかね。ここ一年半くらいは直近のライブが今までで一番楽しいかもしれないって思えるくらい最高を更新し続けている気がしていて、客観的に見られてる自信は全然ないんですがその成長速度は加速度的に上がってきてるんじゃないと思ってます。12月にツアー追加で関東の大箱やって、来年の春に東名阪ホールそれ以外ライブハウスのツアー、夏に音霊とロッキン、秋に武道館みたいな流れになんないかな。あといろんな一面が見られる、見せてくれるのが最高すぎるのでこれからもどんどん新曲を発表していってほしいです。